昨日書いた「私の摂食障害ストーリー前半」はこちらから読めます。
摂食障害って、今思い返せば精神の病で、若かった頃の私はいつの間にか形成された「痩せている人は美しい」という美の概念の中で潰れそうになっていました。
5年ぐらい摂食障害を抱えたまま過ごすことになりましたが、当時付き合っていた今の夫と過ごすようになってから状態は少しずつ変化していきました。
常に体重や痩せているという見た目に囚われていた私はよく今の夫に、
「太ったらどうしよう」
「私が太ったらどうする?」
という質問をしていました。太った自分にもはや価値はないと思っていたし、太るということは私の中で絶対的にタブーなことでした。完全に自尊心というものはなく、英語で表現すると"insecurity"という言葉がしっくりくるのですが、常に自分の中に安心感がない(ずっと不安定な)状態でした。
人から自分がどうみられているかが全てだったから。
その日もいつものように夫に、
「私が太ったらどうする?」
という質問をした時、夫がすごく真顔で、
「太ったら、ヒデミはヒデミじゃなくなるの?」
と言ったのです。その時に今まで肩に乗っていたプレッシャーの石のようなものがドシャーンと崩れ落ちていく感覚になったのを覚えています。
「太ったら、私は私じゃなくなるのだろうか?」
この問いが少しずつ「私」という人間はどんな姿になっても私に変わりはないということを教えてくれたのだと思います。
この夫からの言葉が、
「太っても愛してるよ」
とか
「太っても君のままだよ」
とかだったら絶対に響いていなかったと思う。
「太ったら、君じゃなくなるの?」
という問いを残してくれたことが、自分で考えるきっかけになったのだと思います。
それでもすぐに急激に変化することはなかったのですが、少しずつ少しずつご飯が普通に食べられるようになっていきました。
それでも自分を卑下する言葉は変わることはなく、その後すぐに完全に摂食障害がなくなったかといえばそうではなく、ちょっと太ったりすると自分自身に
ブス(ugly)だとか、デブ(fat)というような言葉をかけていました。
そんな時また夫が、
「そういう言葉さ、自分の友達に言ったりする?」
と言われたので、
「言う訳ないじゃん。」
というと、
「じゃぁどうして自分には言うの?」
と言われました。その時、どうして人には絶対に言わないことを、自分にはいとも簡単に言ってしまうのだろうと思ったのを覚えています。
その頃から徐々に「自分を傷めつけている」と言う状態に気づき始めます。そしてどんなに自分を傷めつけ、いじめても、なんの意味もないことに気づきます。
そして徐々に、自分を傷めつけていることを意識的に減らすようにし、いつも寝る前に自分を責めていた言葉を変えて「よくがんばったね。今日もよくがんばった。」と言う言葉をかけながら自分自身を布団の中で抱きしめてあげるようにしました。
最初はとっても違和感なのですが、毎日毎日続けていくうちに、逆に自分をいじめる言葉が違和感に感じてき始めます。
摂食障害や拒食症は自分の身体に対するボディイメージの認知の歪みが大きく関係しており、また自己否定や自分自身を受け入れられない気持ち、そして過去の私のように体重計の数字や「痩せている」と言うことで自分自身を満たそうとしているのだと思います。
結局私の場合は、太っても痩せていても私は私と言う人間で変わりないと言う気づきと、私と言う一人の人間を大切に扱うことを学んだことが、大きな変化につながったのだと思います。
今とても苦しい人は、質の良いカウンセリングを受けることをおすすめします。自分の心をオープンにして、どんな話も受け入れてくれる環境は、きっと心を癒してくれると思います。
一生懸命ポジティブになろうとしても、自分を大切にしようとしても、自分を傷めつけていると、結局何も変わらない。
なのでまずは自分をいじめている言動に気づいて少しずつ減らしてみることから始めてみると良いかもしれません。そうしていくうちに少しずつ、少しずつ、状況が変化してくると思います。
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